先日、SBI証券におけるシャノンの当選確率について調べてみましたが、その時、分からない点がありましたので、もう少し調べてみました。
前回の記事↓
不明点
SBI証券が示している「募集等に係る株券等の顧客への配分に係る基本方針」においては、機関投資家への配分について、
機関投資家のお客様への配分につきましては、需要への参加状況等を総合的に勘案した上で、適切な配分を行います。
と記載されており、その割合は明示されておらず、IPO株の機関投資家と個人投資家の配分割合が不明でした。
機関投資家への配分割合によって、個人への配分も大きく変わってしまいます。
また、
個人のお客様以外(当社金融商品仲介業者の対面取引のお客様を含みます)の配分につきましては、原則として10%について抽選にて配分先を決定いたします。
とも記載されていますが、文面上、個人のお客様以外というのに機関投資家も含まれるのか、10%は何に対する10%なのかが分かりませんでした。。。
調査
調べるのに使えそうなのが、日本証券業協会が公開している情報「新規公開に際して行う株券の個人顧客への配分状況」です。
日本証券業協会のホームページ上には、過去のIPOについて各証券会社がどの程度個人へ配分したのかが公開されています。
この公開情報をもとに、2016年7月から10月の各IPOのSBI証券への割当数について調べてみました。
調べた結果は、次の表の通りです。
会社名 | 証券コード | SBI証券への割当単元数 | 個人投資家への 配分総単元数 |
個人投資家への配分割合 |
---|---|---|---|---|
KHネオケム(株) | 4189 | 2,641 | 2,340 | 88.6% |
(株)マーキュリアインベストメント | 7190 | 364 | 323 | 88.7% |
(株)ユーザベース | 3966 | 73 | 66 | 90.4% |
九州旅客鉄道(株) | 9142 | 9,486 | 8,279 | 87.3% |
(株)アイモバイル | 6535 | 47,175 | 44,034 | 93.3% |
(株)岐阜造園 | 1438 | 120 | 101 | 84.2% |
(株)バロックジャパンリミテッド | 3548 | 599 | 589 | 98.3% |
(株)ベイカレント・コンサルティング | 6532 | 586 | 530 | 90.4% |
(株)串カツ田中 | 3547 | 108 | 99 | 91.7% |
(株)カナミックネットワーク | 3939 | 66 | 58 | 87.9% |
(株)デジタルアイデンティティ | 6533 | 180 | 160 | 88.9% |
(株)ノムラシステムコーポレーション | 3940 | 142 | 124 | 87.3% |
(株)バリューデザイン | 3960 | 117 | 103 | 88.0% |
シルバーエッグ・テクノロジー(株) | 3961 | 52 | 47 | 90.4% |
(株)チェンジ | 3962 | 4,165 | 3,080 | 73.9% |
(株)シンクロ・フード | 3963 | 490 | 429 | 87.6% |
G-FACTORY(株) | 3474 | 43 | 33 | 76.7% |
(株)デファクトスタンダード | 3545 | 110 | 100 | 90.9% |
LINE(株) | 3938 | 2,190 | 2,370 | 108.2% |
(株)デュアルタップ | 3469 | 3,740 | 3,224 | 86.2% |
(株)インソース | 6200 | 195 | 175 | 89.7% |
リファインバース(株) | 6531 | 32 | 27 | 84.4% |
LINEがなぜか100%を超えていました。これは謎です。。。
それ以外のIPOにおいては、個人への割当ての平均値は88.8%になりました。
つまり、SBI証券への割当数の約9割が’個人のお客様’へ配分されているようです。
ですので、細かい配分割合を計算しなおしてみると
SBI証券における配分数は、
・個人のお客様への割当数 90%
-抽選 63%(90%×70%)
-IPO チャレンジポイント 27%(90%×30%)
・個人のお客様以外(機関投資家含む)への割当数 10%
となりそうです。
前回書いたシャノンの当選確率の記事は間違っていました。
個人への割当を90%にしなくてはいけなかったです。。。
さらなる疑問
個人への割当数は90%で正しそうですが、日本証券業協会の公開情報では、個人への割当について、さらに「規則に基づく抽選配分」と「抽選によらない配分」の数量も分かるようになっています。
SBI証券のルールに従えば
「規則に基づく抽選配分」=抽選 (個人への割当の70%)
「抽選によらない配分」=IPOチャレンジポイント(個人への割当の30%)
となりそうですが、「新規公開に際して行う株券の個人顧客への配分状況」に記載されている数量を計算してみると
「規則に基づく抽選配分」=抽選 (個人への割当の70%)⇒ 40%
「抽選によらない配分」=IPOチャレンジポイント(個人への割当の30%)⇒ 60%
となっています。
ここはさらなる謎です。
私の情報の読み取り方が間違っているもしれませんが。。。
SBI証券に問い合わせればすぐに解決すると思うので、時間があれば問合わせてみようと思います。